Film &Video
inkblot #2 10min / HD / Sound / color / 2010
Lens on Lens 4min / mini-DV / sound / 2009
ことばの海 6min / mini-DV / sound / 2009
砂  4min / mini-DV / sound / color / 2007
追憶  4min / mini-DV / sound / color / 2006
5.5min / 16mm / sound / color / 2004
Lines toward the Sunset 4min / Video / sound / color /2003
ながめ 19min / S-8 / silent / color /2001
FIELD (video version) 6mins / Video / sound / color / 2000
FIELD 6mins /S-8 / silent / color / 2000
INSIDE 3mins /S-8 / sound /color /1997
Installation
Look into the water 2007

 
INKBLOT#2

これは私の自画像であり、あなたの肖像でもある。ロールシャッハテストのようなイメージの変容は、いくつもの言語的な欲望を生み出し、いくつもの表情、幾人もの他者を見出すだろう。しかしこれはマクロの世界で墨汁と塩が生み出す微細な運動に過ぎない。この8ミリフィルムの多重撮影の繰り返しによって得られた偶然の集積は、小さな粒子の観察であると同時に意味の生まれる場の観察でもある。

サウンドデザイン:森永泰弘

 


Lens on Lens

4つのレンズ(眼、カメラ、クローズアップレンズ、氷柱)による「観察」に関する探求。

サウンドデザイン:森永泰弘


 
ことばの海

この世界には、6000以上の言語があるという。
波によって打上げられた小石のような、これらいくつかの言葉。webの海で拾った51/6000+。



追憶

映像は記憶の装置である。 幼少期の家族旅行の体験は、思い出としてではなく、むしろ父によって撮影された8ミリ フィルムによって成り立っている。この作品は、ファウンドフッテージと呼ばれる、再撮影による映画の読み替えにより、 速度、サイズ、反復、多重露光の操作をおこなっている。あらたな記憶として呼び覚まされるそれらイメージの重複 /多層化は、名も無き歴史としてのプライベートフィルム(家族の肖像)を、純化された「映画」として普遍化させる欲望、その可能性についての試みである。





小指の爪ほどの世界をカメラのレンズで覗くと、大きく揺れる光と美しいダイナミックな流れが広がっている。この美しい体験を何度もフィルムに焼付けることで、幾重もの時間と空間の層が生まれた。

墨汁の流れを撮影したこの作品は、 2000年の「 Field 」から始めたシリーズの 4作目にあたる。




Lines toward the Sunset

列車の窓からの風景は、単純なモノクロ輪郭線( Line )の動きで始まり、夕陽に向かうことによって光の色に近づいていく。この作品は、夏の海岸線を走る列車( Line )が夕陽に出会うまでを描いたシンプルな短編作品である。




ながめ

「まなざしの先にあるのは何か。動く光の層の彼方にあなたは何を見ているのか。」
多重露光の方法で様々な流れを繰り返し撮影することによって、流れの軌跡は光の層となって現れ出る。白んでいく光と、時に暴力的に訪れる闇。衝突と緊張。一瞬にして崩れ去るスケール。隔たり途切れる時間。これら全ての生成と消滅の連続を、ただ“眺める”という行為によって“聴く”ことを試みた作品。




Field

当初、流れやスピードなどの「動き」を操作して制作する予定だったが、次第に素材の持つ予測不可能な性質に魅せられ、その美しさや特性を生かす方向へと興味は変わっていった。様々な形を作りながらも決して留まることのない流れ。その「流れ」の中にあるのは、ただ消滅し生まれ続ける光だけである。純粋に、その中に潜む力強さ、美しさだけを表現することを試みた作品。



Inside

「表情の変化」から受ける心理作用に着眼して制作した作品。 言語情報を使用せず、「顔」が変化し、ゆがみ、異様になっていく様から、皮膚、膜、などを感覚的に感じされ、ひいては心の「内側」を連想させる、というものである。
  手法としては、伸縮性のある布の上に黒の単色で顔のデッサンを平面的に描き、裏から指でつついて布を変形させることで表情を歪めさせた。その結果、「布」は「布」でしかなく、「顔の絵」は「顔の絵」でしかないにもかかわらず、そこに描かれた「顔」の動きによって、「布」というものが単なる布として、「デッサン」が単なる「デッサン」として認知されなくなっていく。

BABAKU
グループ展@ FAUXMOUVEMENT
( Metz , France )2005

Silica
Group Exhibition ( art space kimura ASK?/Tokyo ) 2004

「CILICA」「BABAKU」 は、映像とそこに派生するイメージとの関係を、空間性・物質性との関係としてとらえる試みである。
映像が本質的に持っている光と運動について示唆し、映像のイメージと現実の物質的空間とをつなげ共存させることを意図した。




SCENERY / DISTANCE Installation Version 2002
個展 (Gallery Le DECO, Tokyo , JAPAN )

  この作品の前に立ったなら、あなたは、無意識の内にある「名付けようとする欲求」に気づくのではないだろうか。しかし、その欲求は喚起されるばかりで、常に宙づりにされたままだろう。